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人事労務コラム Column

2022.01.01

法改正情報

【人事・労務関連】2022年施行の主な法改正一覧

ヒューマンテック経営研究所 所長 藤原伸吾(特定社会保険労務士)

労働関係諸法令においては毎年多数の改正が行われており、人事・労務担当の皆さまは、諸規程の改定や社内諸制度の変更などの対応に追われていることと思います。そこで、本コラムでは、2022年施行の主な改正事項について再確認するとともに、諸規程の改定が必要な事項について、簡単に解説したいと思います。

 

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1.2022年施行の主な法改正一覧

2022年施行の主な法改正は以下のとおりです。

※当ホームページのコラムにて、法改正の概要をより詳しく解説しているものについては、各項目名から該当コラムをご覧いただくことができます。

施行時期 法律 項目(★:諸規程の見直しが必要な事項)
2022年1月 雇用保険法 ・マルチジョブホルダー制度の新設
健康保険法 ・傷病手当金の支給期間通算化
・任意継続被保険者制度の見直し
2022年4月 労働施策総合推進針法 ・パワハラ防止措置の義務化(中小企業)★
女性活躍推進法 ・一般事業主行動計画の策定・届出義務の適用拡大
育児・介護休業法 ・育児休業を取得しやすい雇用環境整備、妊娠・出産の申出があった場合の個別周知・取得意向確認措置の義務づけ
・有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和★
次世代育成支援対策推進法 ・「くるみん」の認定基準の改正
・「プラチナくるみん」の特例認定基準の改正
・「トライくるみん」認定制度の創設
・不妊治療と仕事の両立に関する認定制度の創設
個人情報保護法 ・利用停止、消去等の個人の請求権の拡充★
・保有個人データの電磁的記録による開示★
・第三者提供記録の開示請求★
・漏えい時の報告義務等の追加★ 等
厚生年金保険法 ・在職老齢年金制度の見直し
・年金手帳の廃止および基礎年金番号通知書の交付
確定拠出年金法 ・確定拠出年金の受給開始時期の選択肢拡大
2022年5月 ・企業型DC・iDeCoの加入可能年齢の拡大
2022年10月 育児・介護休業法 ・育児休業の分割取得★
・1歳以降の育児休業開始日の柔軟化★

・出生時育児休業(産後パパ育休)の創設★ 等
雇用保険法 ・育児・介護休業法の改正に伴う育児休業給付制度の見直し
健康保険・厚生年金保険法 ・短時間労働者に対する社会保険の適用拡大
・育児休業期間中の保険料免除の見直し
確定拠出年金法 ・企業型DC加入者のiDeCo加入の要件緩和

 

2.諸規程の見直しが必要となる法改正

次に、上記1.で挙げた法改正事項のうち、諸規程等の見直しが必要となる事項について、それぞれ概要を見ていきたいと思います。

(1)改正労働施策総合推進法(中小企業、2022年4月施行)

すでに大企業にはパワーハラスメント(パワハラ)防止措置が義務づけられていますが、2022年4月以降、中小企業を含むすべての企業にパワハラ防止措置が義務づけられます。このため、適用後は、以下2点を就業規則に追加する必要があります。

・ハラスメントを行ってはならないこと(服務規定等への定め)

・ハラスメント行為を行った場合、懲戒処分等厳正に対処すること(懲戒規定への定め)

(2)改正育児・介護休業法(2022年4月・10月施行)

男性の育児休業の取得促進を主な目的とする「改正育児・介護休業法」が2022年4月から順次施行されます。本改正に伴い、就業規則および育児・介護休業規程等の見直しが必要となりますが、とくに2022年10月施行の改正については、育児休業の分割取得や、出生時育児休業制度等、大幅な見直しが必要なため、諸規程の改定にあたっては、早めに取り組むことが重要です。

(3)改正個人情報保護法(2022年4月施行)

改正個人情報保護法が2022年4月1日に施行されます。今回の改正では、2015年の法改正時に定められたいわゆる「3年ごとの見直し」規定に基づく改正(2020年改正)と、デジタル社会形成整備法に基づく改正(2021年改正)が同時に施行されますが、とくに「3年ごとの見直し」に関する改正は、内容が複雑かつ多岐にわたり、人事労務の実務に大きく影響します。諸規程の見直しがどの程度必要になるかは、業種や現行規程の内容等により異なりますが、少なくとも自社の個人情報保護にかかる規程の内容を確認し、改定の必要性について検討する必要があります。

3.おわりに

上記で見てきたとおり、2022年は企業の人事・労務担当者にとって重要な法改正が続きます。これらに対応するには、まず法改正の概要を理解し、必要に応じて自社の制度の見直しおよび諸規程の改定等を行う必要があります。

弊所では、人事・労務相談や、諸規程の制改定等の業務を承っており、多くの実績・ノウハウがありますので、「法改正に関しどのような対応が必要か分からない。」、「社内で規程を改定できる人材がいない」などの課題を抱える企業様は、お気軽に弊所までお問い合わせください。

以上

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